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24時間換気を徹底解説!メリット・デメリットからおすすめまで

2023.07.27 2023.10.26
24時間換気システムとは

2003年の建築基準法の改正によって義務化された24時間換気について本記事で徹底解説。

24時間換気システムに関心が高い方必読です。

24時間換気システムとは

24時間換気システムとは、居住空間の空気を室外の空気と入れ替え、家の中の空気を新鮮でキレイな状態で循環させる設備のことです。

2003年の建築基準法の改正によって義務化され、法改正以降に建てられる家には導入が義務付けられています。

24時間換気義務化の背景(※1)

24時間換気システムの設置が義務付けられた理由は、主にシックハウス症候群を防止するためです。

シックハウス症候群とは、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等による健康への影響で出る症状のことをいいます。
その症状は、目がチカチカする、吐き気、頭痛、鼻水、のどの乾燥、湿疹など人によりさまざまです。

最近の住宅は、高気密・高断熱化が進んでいることで気密性が高いため、何もしないと室内の空気がこもってしまい、化学物質により汚染された空気がとどまりやすくなっています。

シックハウス症候群を予防するために、住宅の中の空気を適切に循環させることが重要です。
そのため、住宅全体で「計画的な換気」を取り入れる必要があります。このような背景から24時間換気システムの設置が義務付けられたのです。

(※1)国土交通省『シックハウス対策について知っておこう』

24時間換気はつけっぱなしが前提(※1)

24時間換気システムの設置が義務付けられた理由は、主にシックハウス症候群を防止するためです。

シックハウス症候群とは、先に述べた通り、建物に含まれる有害物質によって引き起こされる健康被害です。

24時間換気システムは、建物内の空気を24時間換気することで有害物質を除去し、シックハウス症候群を防止します。
2003年の改正建築基準法によって導入が義務化され、換気量は1時間で建物内の空気の約半分が入れ替わるものと定められています。

適切な換気が行われないと、湿気がこもってしまうため、結露やカビが発生しやすい環境となってしまいます。
結露やカビは、健康被害を引き起こすだけでなく、建物の劣化にもつながります。

自己判断で24時間換気システムの使用を止めるのは控えるようにしましょう。
24時間換気システムは、健康と安全のために重要な設備です。

(※1)国土交通省『シックハウス対策について知っておこう』

24時間換気を止めてもいい状況

例外として、台風など強風時は雨水が侵入する恐れがあるので、このような状況では24時間換気を止めても問題ありません。

次に、24時間換気のメリットやデメリット、気になる点について紹介いたします。

24時間換気のメリットやデメリット

24時間換気のメリット

24時間換気のメリットとして第一は、先に述べた「シックハウス症候群対策」です。

このほか「アレルギー対策」「カビの発生を抑制できる」「家の中のにおいを入替できる」「家の劣化を抑制させる」が挙げられます。
以下で紹介いたします。

アレルギー対策

24時間換気システムは、空気の入れ替えが行われることで、アレルギーの原因となるホコリやダニの発生を防ぎます。

外気を取り入れる際、花粉や汚染物質の侵入が心配になるかも方もいるかもしれませんが 、24時間換気システムの設備には、花粉や粉じんを除去するフィルターがついているタイプもあります。

花粉や粉じんを除去するフィルターがついていない場合でも、市販品の後付けが可能です。

気になる方は、ご自宅の24時間換気システムのフィルターの有無を確認をしてみましょう。

カビの発生を抑制できる

カビは、湿気が多い環境・湿度が高い環境で繁殖しやすくなります。
24時間換気は室内に空気をとどめないので室内の湿度を下げ、カビ発生の抑制につながります。

また、室内の汚れた空気を排出することで、カビの発生原因となるホコリやダニなどの繁殖を抑制することができます。

家の中のにおいを入れ替えできる

24時間換気は、室内の空気を常に循環させているので、室内にこもったにおいが排出され、新鮮な空気が取り込まれます。

とくに料理後やペットを飼っている場合、24時間換気を稼働させることでにおいが軽減されやすくなります。

家の劣化を抑制させる

日本の住宅は木造家屋はもちろん、どのような構造であっても、ほとんどのケースで木材が使用されています。

湿気が壁、柱、天井などにたまるとカビの原因となり、木材はダメージを受け、家の劣化につながるおそれがあります。
木材にとっては適度な乾燥状態を保つことが大切です。

24時間換気を稼働させることで、湿気を逃がし、家を傷みにくくさせることができます。

24時間換気のデメリットや気になるポイント

24時間換気のメリットについて、それぞれ紹介いたしました。

それでは、24時間換気でよくある疑問、「24時間換気はうるさい?」「24時間換気は寒くない?」「24時間換気の電気代はいくら?」「定期的な掃除は必要?」「エアコンの効きが悪くなるって本当?」と、24時間換気に関して多くの人が気になる点について、以下で紹介いたします。

24時間換気はうるさい?(※2)

24時間換気システムの音がうるさいという声を聞くことがあります。

音が気になるかどうかは人によって異なりますが、生活していく中で以前より音が気になるようになった場合は、汚れが溜まっていたり、うまく作動していない可能性があります。

24時間換気システムの音が気になる場合は、フィルターの掃除または交換を試してみてください。

以下に、24時間換気システムの音がうるさくなる原因と対策をまとめました


【原因】

  • フィルターが汚れている
  • 機器が故障している

【対策】

  • フィルターを掃除又は交換する
  • メーカーに修理を依頼する

1~2年フィルターを掃除せずに放置した場合、騒音が新品時に比べて1.2倍になるとの報告もあります。
換気効率も半分以下になり、また故障の原因にもなりますので、定期的な掃除やフィルターの交換をするようにしましょう。

掃除やフィルター交換をしても音が気になる場合は、機器の故障の可能性もあります。
詳しくは各メーカーの取扱説明書をご確認頂くことをおすすめします。

(※2)三菱電機『「24時間換気システム」に関する意識調査と換気機能の実態調査』

24時間換気は寒くない?

24時間換気システムは、室内の空気をきれいに保つために欠かせない設備です。

しかし、換気システムの種類によっては室内が寒くなることがあります。冬場は室内が寒くならないよう、換気システムの種類や設定に注意してください。

どのようなタイプの24時間換気システムが部屋を冷やしてしまうのか、またその対策については、関連記事『24時間換気システムが寒い!今すぐにできる寒さ対策を紹介』で詳しく紹介しています。気になる方はご確認ください。

ここでは簡単に、24時間換気の種類について紹介いたします。

24時間換気の種類

24時間換気システムは、3種類に分類され 「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」があります。

それぞれ機能が違い、なかには部屋の温度を下げる原因となるものもあります。

24時間換気システム

第一種換気

第一種換気は、給気口と排気口の両方に機械を設置して、空気の入れ替えを強制的におこなう換気方式です。

熱交換器が内蔵されているタイプであれば、外気の温度を室温に近づけて取り入れるため、給気による寒さを減らすことができます。
窓の開け閉めをしなくても換気ができるため、寒さを感じにくいのが特徴です。

断熱性・気密性に優れた住まい・寒冷地などで、取り入れることが多いタイプです。

第二種換気

第二種換気は、外気を取り入れる給気口にのみ、換気扇を設置したタイプです。

排気は窓やドアなどを開けて、「自然排気」をおこなう必要があります。

給気口から入ってくる外気によって、部屋の空気圧が高くなり、窓を開け放しても菌や汚染物質が入ってきにくいため、病院や研究所など汚染物質を嫌う環境で導入されるケースが多いです。

第三種換気

第三種換気は、排気口にのみ換気扇が付けられたタイプです。

空気を取り入れる方法は、窓を開けるか、壁に開けられた給気口から取り入れるかの2通りです。

第三種換気は導入費用が安くメンテナンスもしやすいので、一般住宅で見かける機会がもっとも多いのですが、外気の影響を受けやすいのがデメリットです。
給気口から外気を取り入れる為、給気口の近くにいると寒さを感じやすくなります。

そのため、第三種換気が導入されている場合は、冷気の侵入や寒さ対策をする必要があります。

以下に、いくつかの対策方法をご紹介します。

  • 給気口にカバー・フィルターを付ける
  • 遮光カーテンを取り入れる
  • 暖房器具を使う

給気口にカバーやフィルターをつけたり、開き具合を調整することで、で冷気の侵入を抑えることができます。
また、換気システム以外での寒さ対策として、熱を逃さないタイプの遮光カーテンを取り入れたり、暖房器具を増やすなどの方法もあります。

詳しくは、関連記事『24時間換気システムが寒い!今すぐにできる寒さ対策を紹介』紹介しています。気になる方はご確認ください。

24時間換気の電気代は?

24時間換気を稼働し続ける際に、電気代が心配になる方もいらっしゃると思うので、以下で電気代の一例を紹介します。

24時間換気の電気代は、インテリックスのエコキューブ導入済物件で採用している24時間換気システムの場合、月18円~1,600円弱(★1)ほどです。

エコキューブに導入されているのは熱交換方式の高機能な24時間換気システムで、消費電力は1W~最大で85W程度です。
電力量料金の料金単価を26円/kWh(★2)として、1カ月の電気代を計算してみると

1W(0.001kW)×24h×30日×26円/kW=18.72円
85W(0.085kW)×24h×30日×26円/kW=1,591.2円

上記の例の場合、1年365日ずっとつけっぱなしにした場合、約227円~19,359円となります。
インテリックス、エコキューブについては後ほど説明させていただきます。

詳しくは関連記事『【知っていれば安心】24時間換気の電気代はいくら?節約のために止めても大丈夫?』をご覧ください。

(★1)インテリックスがエコキューブで採用している24時間換気システムを、電力量料金の料金単価を26円/kWhとして算出した場合。使用する換気システム、お住まいのエリア、電気料金のプラン等によって金額は異なります。
(★2)東京電力の電力量料金(第2段階料金)26.48円/1kwh(2023年03月時点)を参考にしています。

定期的な掃除が必要?

定期的な掃除は必要です。


24時間換気システムを効率的に使用するために、換気扇にたまったホコリや汚れを定期的に掃除することが大切です。
掃除をせずに放置すると、油分とホコリが絡み合ってしつこい汚れになってしまい、換気効率が悪くなります。

換気扇の掃除は、市販の換気扇フィルターやお掃除グッズを使って簡単に行うことができます。
お掃除グッズは、掃除機や雑巾、中性洗剤などです。

詳しくは関連記事『【画像付】24時間換気システムの掃除方法まとめ|カバーの外し方・掃除できない場合の対処法』をご覧ください。

エアコンの効きが悪くなるって本当?

24時間換気システムは、室内の空気をきれいに保つために欠かせない設備ですが、エアコンの効きが悪くなる場合もあります。

これは、24時間換気によって室内の空気が循環するため、空気を温めたり冷やすことがしにくくなるためです。
また、常時換気しているため、エアコンで温めたり冷やした空気が外に流れやすく、また、外気を取り込んでいるので、季節によってはエアコンが効きにくいと感じる場合があるかもしれません。

ただし、インテリックスのエコキューブ導入済み物件では、熱交換式の24時間換気システムを採用しています。
熱交換式換気システムは、換気の際に熱交換することで外気を室温に近づけて取り込みます。
そのため、室内の温度を一定に保ち、エアコンの効きが悪くなることを防ぎます。

例えば冬に外気0℃で室温が20℃の場合、熱交換式換気システムは、外気を18℃程度にして室内に取り込みます。

熱交換式換気システムは、エアコンの効きが悪くなるというデメリットを解消し、快適な室内環境を維持するための有効な手段です。

インテリックスのエコキューブ導入済み物件は、熱交換式換気システムを採用しているため、快適な室内環境を保ちます。

熱交換って何?

熱交換式換気とは、外気の温度を調節して室内に取り入れる換気の方法です。

熱交換換気には、熱だけでなく湿気も交換する「全熱交換」と、熱のみを交換する「顕熱交換」の2つのタイプがあります。

どちらのタイプも、換気の際に、室内排気熱と外気温を熱交換させることで、冷たい外気は暖かく、暑い外気は冷やしてから室内に取り込むことができるので、冷暖房効率を損ねず、室温を一定に保てるのがメリットです。

「全熱交換型」は、湿気も交換するため高温多湿の地域に適し、「顕熱交換型」は、冬場、外気よりも室内の方が多湿になる北海道などの寒冷地に適しているともいわれています。
これは、顕熱交換型であれば、多湿な室内空気を排出し、湿度の少ない外気を温めて取り込むことができるからです。

24時間換気なら高機能換気システムの「エコキューブ」がおすすめ

24時間換気なら「エコキューブ」がおすすめ

エコキューブとは、物件ごとの適切な断熱計画のもと、断熱性・気密性を高め、窓を開けなくても高機能換気システムで新鮮な空気を取り入れる省エネリノベーションです。
冷暖房費も改修前よりも抑えることができます。

エコキューブの高機能換気システムは、熱交換式第1種換気システムが採用されているので、外気を室温に近づけて取り込みます。
例えば、冬に外気0℃で室温が20℃の場合、熱交換を行い、外気を18℃程度にして室内に取り込むので、快適な居住空間を保ちます。

また、内蔵フィルターにより、花粉や粉じんなどの侵入を抑え、24時間365日新鮮な空気を取り込みます。

インテリックスとは

インテリックスは「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」をビジョンに掲げ、新築か中古の2択しかなかったマンション購入に、1995年7月設立以降、中古マンションリノベーションという、新しい選択肢・マーケットを創造してきました。

以来、これまでに累計2万5千戸(2022年12月時点)以上の販売を行ってまいりました。

2022年、リノベーションによる快適性能を高め、省エネ化も実現させる『エコキューブ』をグループ会社一丸となって開発・導入を推進し、 リノベーションに「住宅性能」という新しい選択肢を提案しています。

参考文献

(※1)国土交通省『シックハウス対策について知っておこう』
(※2)三菱電機『「24時間換気システム」に関する意識調査と換気機能の実態調査』