24時間換気システムは住まいになくてはならない存在です。しかし部屋の空気を排出して外気を取り入れるという性質上、冬は寒さに悩むことも少なくありません。
そこで24時間換気システムの寒さに悩む方に向けて、今すぐできる対策をご紹介します。
24時間換気システムは工夫と便利なアイテムを使うことで、寒さ対策を行うことができます。
「24時間換気システムが寒い」と悩んでいる方は、ぜひ記事を参考にしてみてください。
もくじ
室内の空気をつねに入れ替え続ける24時間換気システムは、住む人の健康と住まいの環境を快適な状態に保ってくれます。
24時間換気システムには複数のタイプが存在し、中には部屋の温度調節の妨げとなってしまうタイプもあります。
その結果「暖房を入れていても部屋が寒い」と感じてしまうことも。
では、どのようなタイプの24時間換気システムが部屋を冷やしてしまうのでしょうか。
24時間換気システムの種類について、詳しく見てみましょう。
24時間換気システムは、「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」の3種類に分類されます。
それぞれ機能が違い、中には部屋の温度を下げる原因となるものもあります。
第一種換気は、給気口と排気口の両方に機械を設置して、空気の入れ替えを強制的におこないます。
熱交換器が設置されているタイプであれば、外気の温度を室温に近づけて取り入れるため、給気による寒さが減らせます。
窓の開け閉めをしなくても換気ができるため、寒さを感じにくいのが特徴です。
断熱性・機密性に優れた住まい・寒冷地などで、取り入れることが多いタイプといえます。
第二種換気は外気を取り入れる給気口にのみ、換気扇を設置したタイプです。
排気は窓やドアなどを開けて、「自然排気」をおこなう必要があります。
給気口から入ってくる外気によって、部屋の空気圧が高くなり、窓を開け放しても菌や汚染物質が入ってきにくいとされています。
そのため、病院や研究所など汚染物質を嫌う環境で導入されるケースが多い傾向です。
第三種換気は、排気口にのみ換気扇が付けられたタイプです。
一般住宅で見かける機会がもっとも多いのが、第三種換気になります。空気を取り入れる方法は窓を開けるか、外壁と通じる壁に開けられた小さな給気口から取り入れるかの2通りです。
第三種換気は導入費用が安くメンテナンスもしやすいですが、外気の影響を受けやすいのがデメリットです。
そのため、給気口の近くにいると寒さを感じやすくなります。
「温かな空気を逃がし、冷たい外気を取り入れてしまうのであれば、24時間換気を止めれば良いのでは?」と考える方もいるかと思います。
しかし24時間換気を止めるのは、避けましょう。
そもそも24時間換気は、2003年の改正建築基準法によって導入が義務化されたもの。1時間で建物内の空気の約半分が入れ替わるよう、定められています。
それだけ24時間換気が重要視され、空気をつねに入れ替えたほうが良いとされるのは、下記の理由があるためです。
それぞれ詳しい内容を見てみましょう。
24時間換気を止めないほうが良い理由の1つが、シックハウス症候群を防止するためです。
シックハウス症候群とは、化学物質を含む建材によって引き起こされる、健康被害のことを指します。
建材から出た「ホルムアルデヒド」といった化学物質が空気中に舞い、目のかゆみや喉の痛みを発症させます。
ひどい時には呼吸困難を引き起こすケースも。
24時間換気で空気の入れ替えをつねにおこなうことで、シックハウス症候群の発症率を抑えられます。
※1 国土交通省『シックハウス対策について知っておこう 快適で健康的な住宅で暮らすために 改正基準法に基づくシックハウス対策』
空気が停滞してしまうと、部屋の湿度が上がります。その結果、カビが発生してしまうことも少なくありません。
カビは壁紙や床など、見える場所にのみ発生するとは限りません。躯体部分にカビが生じれば、家の寿命や機能にも影響を及ぼします。
また、カビの原因となる結露も、24時間換気システムを止めることで発生しやすくなります。
24時間換気システムは、アレルギー対策にも効果的です。空気の入れ替えが行われることで、アレルギーの原因となるホコリやダニの発生を防ぎます。
外気を取り入れる際、花粉や汚染物質の侵入が心配になるかも方もいるかもしれません。
しかし24時間換気システムの設備には、花粉や粉じんを除去するフィルターがついているタイプもあります。
ついていない場合でも、市販品の後付けが可能です。気になる方は、ご自宅の24時間換気システムのフィルターの有無について、確認をしてみましょう。
料理をするキッチンは、臭いが充満しやすい場所です。換気をせずそのままにしてしまうと、キッチン全体に油や調味料の臭いを残します。
料理によって発生した油・臭いを含んだ空気は、リビングにまで流れてしまうことも少なくありません。
カーテンやソファーなどの家具に臭いが蓄積されると、洗濯をしても落ちにくくなります。
24時間換気をおこなうことで、住まいに臭いを残さず快適な環境を保てます。
換気システム自体を掃除・工夫するなどして寒さを調整する方法があります。
それぞれの内容を見てみましょう。
換気口カバーは、換気口をふさぐ「蓋」といえる存在です。換気口に被せることで、冷たい外気が入り込みすぎないように調整できます。
断熱材が付けられるタイプや、ゴムがついて密閉度が高いタイプなどもあるため、寒さの度合いに合わせて使い分けましょう。
価格帯は、1,500円〜5,000円程度で購入ができ、手軽に取り付けられます。
フィルターは花粉やホコリなどの侵入を抑制するのが、本来の目的です。
そのため寒さ対策として高い効果は得られませんが、何も付けていない状態と比べると、外気からの寒さを和らげられます。
価格帯は、1枚300円〜700円ほどです。安価でありながら、アレルギー対策といった寒さ以外の効果も得られるため、未装着の方は取り付けを検討してみましょう。
換気口に汚れが溜まっていると、換気がうまく機能しなくなります。その結果、部屋が温度を保ちにくくなったり、空気の汚れを感じて窓を開け放さなくてはならなかったり、といったことも考えられます。
また換気の滞りは、家の寿命を縮めたり健康被害を引き起こしたりもすることも。快適な住まいと健康を維持するためにも、換気口の掃除は定期的にしましょう。
掃除の詳しい方法については、下記の記事を参考にしてください。
【画像付】24時間換気システムの掃除方法まとめ|カバーの外し方・掃除できない場合の対処法
24時間換気システムは、住まいと人の健康を守るためのものです。寒さによって辛さを感じ、換気を止めようと考えている方は、24時間換気の種類や方法について見直すことも、検討してみましょう。
より断熱性の高い換気システムに見直すことで、空気の循環を効率的におこないながら心地よい温度を保てます。
換気システム以外にも、寒さを調整する方法があります。
寒さを和らげるのにおすすめなのが、次の4つの方法です。
それぞれの内容を、詳しく解説します。
部屋が寒い場合、多くの方が暖房器具を活用すると思います。
暖房器具を使っても寒さが和らがない場合は、設定温度を上げて部屋を温かく保ちましょう。
使用する暖房器具を増やすのも、良い方法です。
エアコン以外にもホットカーペットや電気膝掛け毛布、ヒーターなども併せて活用すると、温かさが増します。
日の光を遮る遮光カーテンには、熱を逃がさない効果もあります。
遮光カーテンの生地は、通常のカーテン生地より厚手です。
冷たい外気が部屋に入るのを防ぎ、部屋の温かい空気が窓から逃げるのを防いでくれます。
暖房器具と合わせて使うことで、部屋の快適性が保てるでしょう。
給気口の種類によっては、開き具合を調整できるタイプもあります。
寒さを感じる方は給気口を少し閉じて、冷たい空気が入りすぎないように調整しましょう。
ただし、ずっと半開き状態にしておくと換気の効率が下がってしまうので注意が必要です。
昼間は全開にして、寒い夜になったら少し閉じるといったふうに、時間で使い分けてみましょう。
暖房器具を使用しても部屋が寒い場合は、サーキュレーターを活用してみましょう。
サーキュレーターは空気を循環させる機能を備えています。
温かい空気は上にいく習性があり、冷たい空気は下に溜まりがちです。
サーキュレーターで天井付近の空気をかき回せることで、温かな空気が下に降りてきて、過ごしやすくなります。
24時間換気システムの寒さを解決したい方が抱きやすい疑問について、簡単にお答えします。
24時間換気システムの寒さ対策を検討している方は、参考にしてください。
気温が下がる夜は、24時間換気システムを止めたくなるかもしれません。
しかし24時間換気システムを止めるのは、基本的にNGです。寝ている間も、回し続けることをおすすめします。
寒さがつらい方は、上述した「換気システム以外の調整方法4つ」をぜひ取り入れてみてください。
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24時間換気システムは住まいに必要な存在です。しかし換気による寒さに苦しむ方も少なくありません。
ご紹介した内容を元に、できる範囲での寒さ対策を取り入れて、適切な換気による快適な暮らしを実現しましょう。
エコキューブなら24時間換気をおこないながら室温を一定に保つため、心地よい住まいを実現できます。
快適で健康的・経済的な暮らしを求める方は、ぜひ導入を検討してみてください。
※1 国土交通省『シックハウス対策について知っておこう 快適で健康的な住宅で暮らすために 改正基準法に基づくシックハウス対策』