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【知っていれば安心】24時間換気の電気代はいくら?節約のために止めても大丈夫?

2023.04.11 2023.12.30
24時間換気の電気代

住宅に備え付けの24時間換気について電気代が一体いくらかかっているのか疑問に思っている人は多いのではないでしょうか。中には節約のために止めた方がいいと考える人もいるでしょう。

結論をいうと節約のために24時間換気を止めることはNGです。

この記事では24時間換気を止めてはいけない理由と24時間換気にかかる電気代、24時間換気のメリット・デメリットについて紹介します。

24時間換気について電気代を気にせずに安心して利用するためにも、ぜひ最後まで目を通してください。

24時間換気を節約のために止めるのはNG(※1)

24時間換気を、節約のために止めることはNGです。

24時間換気は、2003年に改正された建築基準法により、新築住宅には設置が義務付けられています。設置が義務付けられた理由は、近年増えている高気密や高断熱の住宅の場合、しっかりと換気を行わないとシックハウス症候群による健康被害が起きる可能性があるからです。

健康面への影響を考えても24時間換気を止めないようにしてください。

例外として、台風等の強風時は、雨水が浸入する恐れがあるため、換気システムの運転を停止することをおすすめします。

以下では、電気代は月に数十円~1,600円程度に収まること(★1)や、止めることによって起きるデメリットなど経済面でも24時間換気を止めない方がいい事情についても紹介します。

(※1) 国土交通省『建築基準法に基づくシックハウス対策について』
(★1)インテリックスが採用している24時間換気システムを電力量料金の料金単価を26円/kWhとして算出した場合。使用する換気システム、お住まいのエリア、電気料金のプラン等によって金額は異なります。

24時間換気の電気代

24時間換気の電気代

24時間換気の電気代は、インテリックスの高機能換気システム導入済物件の場合、月18円~1,600円弱ほどです。

24時間換気システムの消費電力は設置している機種によって異なります。

インテリックスが採用している24時間換気システムは、熱交換方式の高機能な24時間換気システムですが、消費電力は1W~最大で85W程度です。電力量料金の料金単価を26円/kWh(★2)として、1カ月の電気代を計算してみると

  • 1W(0.001kW)×24h×30日×26円/kW=18.72円
  • 85W(0.085kW)×24h×30日×26円/kW=1,591.2円

(★2)東京電力の電力量料金(第2段階料金)26.48円/1kwh(2023年03月時点)を参考にしています。

上記の一例の場合、1年365日ずっとつけっぱなしにした場合は、約227円~19,359円となります。

【場所別】24時間換気システム以外の換気扇の電気代

24時間換気システム以外の換気扇の電気代についても見てみましょう。設置場所別の換気扇にかかる費用をまとめると下記の表の通りになります。

【場所別換気扇の電気代】

場所1ヶ月1年
キッチン約748円~2,152円約9,110円~26,192円
浴室約149円~336円約1,822円~4,099円
トイレ約71円約865円

以下で詳しく見ていきましょう。

キッチンの換気扇は月々約748円~2,152円程度

キッチンの換気扇にかかる電気代は月々約748円~2,152円程度です。

キッチンの換気扇の消費電力の目安は、弱運転では40W、強運転では115W(★3)がかかります。電力量料金の料金単価を26円/kWh(★4)として、1ヶ月の電気代を計算してみると次のようになります。

  • 弱運転の場合:40W(0.04kW)×24h×30日×26円/kWh=748円
  • 強運転の場合:115W(0.115kW)×24h×30日×26円/kWh=2,152.8円

キッチンの換気扇の電気代は1月当たり約748円~2,152円となることがわかります。

なお同様に、1年365日使用した場合の電気代を計算すると、約9,110円~26,192円となります。

また常時運転25Wの場合、同様の計算方法で電気代は1ヶ月約468円、1年365日の場合約5,694円となります。

(★3)クリナップ とってもクリンフード「ZRS75ABH14FS(R/L)」を使用した場合です。
(★4)東京電力の電力量料金(第2段階料金)26.48円/1kwh(2023年03月時点)を参考にしています。

浴室の換気扇は月々約149円~336円程度

浴室の換気扇にかかる電気代は月々約149円~336円程度です。

浴室の換気扇の消費電力の目安は、弱運転で8W、強運転で18W (★5)です。また、24時間換気モードの消費電力は5Wです。

弱運転の8Wの場合と強運転の18Wのケースで、1ヶ月の電気代を見てみましょう。電力量料金の料金単価は26円/kWh(★4)とします。

  • 弱運転8Wの場合:8W(0.008kW)×24h×30日×26円/kWh=149.76円
  • 強運転18Wの場合:18W(0.018kW)×24h×30日×26円/kWh=336.96円

浴室の換気扇を1ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は約149円~336円となります。

なお同様に1年365日使用した場合の電気代を計算すると、約1,822円~4,099円です。

また24時間モード5Wの場合、同様の計算方法で電気代は1ヶ月約93円、1年365日の場合約1,138円となります。

(★5)TOTO RWシリーズ「TYB4012GAN」を使用した場合です。
(★4)東京電力の電力量料金(第2段階料金)26.48円/1kwh(2023年03月時点)を参考にしています。

トイレの換気扇は月々約71円程度

トイレの換気扇にかかる電気代は月々約71円程度です。

トイレの換気扇の消費電力の目安は、3.8W (★6)です。電力量料金の料金単価を26円/kWh(★4)として、1ヶ月の電気代を計算してみましょう。

  • 3.8W(0.0038kW)×24h×30日×26円/kWh=71.136円

トイレの換気扇を1ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は約71円となります。なお同様に1年365日使用した場合の電気代を計算すると、約865円です。

(★6)三菱電機 単独扇「vd-08zc13」を使用した場合です。

(★4)東京電力の電力量料金(第2段階料金)26.48円/1kwh(2023年03月時点)を参考にしています。

24時間換気をするメリット

先ほどもお伝えした通り24時間換気は法令で義務づけられています。

シックハウス症候群による健康被害が起きる可能性を予防する他、24時間換気をすることで、次のようなメリットが得られます。

  • 結露・カビの発生を抑制する
  • 臭いの広がりを抑制する
  • 家の劣化を抑制させる

それぞれ詳しくは次の通りです。

結露・カビの発生を抑制する

結露は、室温と外気の差が大きく、室内の温度が高いときに発生しやすくなります。

24時間換気を使うことで空気の入れ替えができ、湿度を外部に排出できるようになります。

湿度が下がることによって室内の結露を抑制し、カビの発生を抑制させることができます。

特にキッチンや浴室といった水回りやクローゼットなどは、カビが一度発生すると除去にとても手間がかかります。

24時間換気をすることでカビの発生を抑制し、メンテナンスの手間を省くことができます。

臭いの広がりを抑制する

24時間換気をすることで、臭いの広がりを抑制することができます。

生活をしているとどうしても不快な臭いを発生させてしまうことがあります。

特に玄関の臭いやペットの臭いなどは、消臭剤や窓をあけるなどの対策をしてもうまく防げないことがあります。

その点、24時間換気システムで常に新しい空気と入れ替えることにより、臭いを逃すことができます。

不快な臭いがとどまらないため、臭いの定着を抑制することもできます。

家の劣化を抑制させる

24時間換気をすることで、家の劣化を抑制させることができます。

日本の住宅は木造家屋はもちろん、どのような構造であっても木材が使用されているケースがほとんどです。

木材にとって湿度は劣化を招く原因となります。壁、柱、天井などに湿気がたまるとカビの原因となり、ダメージを受けます。木材にとっては適度な乾燥状態を保つことが大切です。

24時間換気をすることで、湿気を逃がし家を傷みにくくさせることができます。

24時間換気をするデメリット

24時間換気をする場合には、次のようなデメリットもあります。

  • 換気扇の定期的な掃除が必要
  • エアコンの効きが悪くなる場合がある

以下で詳しく解説します。

換気扇の定期的な掃除が必要

24時間換気を効率良く使用する為には、換気扇にたまったホコリや汚れ等を定期的に掃除する事をおすすめします。

掃除をしないで放置すると油分とホコリが絡んでしつこい汚れとなるため注意しましょう。

例えば、市販の換気扇フィルター等を使うとお手入れも簡単です。

お掃除グッズを活用するなどして、換気扇を綺麗に保つようにしましょう。

エアコンの効きが悪くなる場合がある

24時間換気をしているとエアコンの効きが悪くなる場合がある点もデメリットです。

24時間換気によって部屋の空気が循環するため、空気を温めたり冷やすことがしにくくなる場合もあります。

また、エアコンが温めたり冷やした空気が24時間換気によって常時外に流れやすくもなる可能性もあります。

但し、インテリックスの高機能換気システム導入済み物件は、熱交換式換気システムを採用しています。

外の空気を室温に近づけた状態で取り入れます。例えば冬に外気0℃で室温が20℃の場合、熱交換を行い、外気を18℃程度にして室内に取り込むことで、室温の変化を抑制し、快適な居住空間を快適な居住空間を保ちます。

24時間換気の効果を高めるコツ

24時間換気の効果を高めるコツ

次に、24時間換気の効果を高めるコツについて紹介します。コツは下記4点です。

  • フィルターを定期的に掃除及び交換する
  • 換気扇を最新の高性能な機種に買い替える
  • 浴室を密室にする
  • エアコン利用時は換気扇を弱める

順に見ていきましょう。

フィルターを定期的に掃除及び交換する

フィルターを定期的に掃除及び交換することで、24時間換気の効果を高めることができます。

掃除やフィルター交換を怠ると24時間換気本来の効果が低減してしまいます。

換気扇を最新の高性能な機種に買い替える

24時間換気の場合、古い換気扇を最新の高性能な機種への買い替えを検討することもおすすめです。

換気扇においても年々商品改良が進んでおり、最新の機種の方が、モーターの負担を軽減して空気の入れ替えができるなど性能が高く、消費電力を抑えられるケースがほとんどです。

古い換気扇は、経年劣化による部品の不具合でうまく換気ができないこともあり、そのような古い換気扇は、新しい高性能な換気扇に買い換えることで電気代節約・換気の効率アップにつながります。

浴室を密室にする

浴室の換気扇をつける場合は、密室にすることで効果的に換気ができます。

換気扇を使う際は、浴室の入り口の扉を閉めるようにしましょう。

扉を開けたまま換気扇を回すと、浴室の湿気が洗面所へ逃げ、さらに家中へと広がってしまいます。浴室を密室状態にした方が、湿気の通り道が換気扇一つに集中するため、湿気の排出効果が増します。

なお、浴室に窓がある場合も、窓を閉めることが大切です。窓を開けると窓から湿気を含む外気を取り込んでしまうことにもなるため、窓も閉めて換気をしましょう。

エアコン利用時は換気扇を弱める

エアコン利用時は換気扇の稼働を弱めることがおすすめです。

エアコンを使用する際は、エアコンが室内の空気を循環させるため、換気扇は「弱」でも十分な換気効果を得られます。

ただし、部屋の広さや構造等によって換気の効果はかわってくるので状況に応じて調整するようにしましょう。

また、換気扇を「弱」にして外気を多く取り入れすぎないことで、効率的に室内の温度を調整することができます。

例えば、夏場に換気扇を「強」にして蒸し暑い外気を多く取り込んでしまうと、エアコンでその空気を冷やすのに電力が多くかかります。

換気扇を「弱」にして外気を取り込み過ぎない方が効率よく室温の調整や換気ができます。

24時間換気はつけっぱなしで問題なし

24時間換気はつけっぱなしでも問題ないことをお伝えしました。

いくらかかるか心配される24時間換気の電気代は、月に18円~1,600円程度。

電気代が気になる方でも24時間換気はつけっぱなしで安心してご利用いただけます。

また、24時間換気を行わないと、シックハウス症候群になる恐れがあるなど健康上よくないことがあります。

反対に24時間換気を行なうことで、結露やカビの発生や臭いの広がり、家屋の劣化を抑えることができるなどの多くのメリットがあります。

さらに健康的で経済的な24時間換気をしたい場合には、高機能換気システムの導入をぜひご検討ください。快適な暮らしが実現できます。

参考文献

(※1)国土交通省『建築基準法に基づくシックハウス対策について』