不動産について 省エネ

高気密・高断熱な住まいはリノベーションでも実現可能です。その方法を紹介いたします。

2023.07.10 2023.12.31
高気密・高断熱な住まい

快適な暮らしのために住宅性能に関心がある人は多いかと思います。

この記事ではリノベーションでも高気密・高断熱な住まいを手に入れられる方法を紹介いたします。

高気密・高断熱とは

まず、「高気密」・「高断熱」というそれぞれの言葉の定義を知っておきましょう。

「高気密」とは、家と外のすき間が少なく、気密性が高いことです。
気密性とは、内部と外部の空気の流通を防ぐ性能のことで、住宅では部材と部材の間に生じる隙間をできるだけ少なくすることで気密性を向上させます。

高気密な家は工場生産の精度の高い建築部材、断熱材、気密テープなどを使用し、できるだけ隙間をつくらないように建てられます。
外気の影響を受けにくくなることで、空調や換気システムにより温度や湿度の管理がしやすいため、快適な室内環境を作りやすくなります。

次に、「高断熱」とは、家の室内温度が外気温に左右されにくいことです。

高断熱な家では、建物の外壁や天井裏、床下などに断熱材を入れたり、複層ガラス、二重サッシの窓や断熱ドアなどの断熱性能の高い建材を採用し、室温が外気温の影響を受けにくくしています。

高気密・高断熱の基準(※1)

「高気密」や「高断熱」に関して一定の基準があれば、数字などで気密性や断熱性の程度を把握しやすくなります。

しかし、日本では「この数値に達していれば高気密・高断熱の住宅になる」という明確な基準はありません。

ハウスメーカーが気密性や断熱性に関して一定の基準を示しているケースもありますが、あくまでもメーカーが独自に定めている基準です。
国が一定の基準を定めているわけではないことに注意しましょう。

気密性や断熱性を表す数値には、「C値」や「Ua値」があります。
「C値」は気密性を、「Ua値」は断熱性を測る基準です。どちらも数値が小さいほど、気密性・断熱性は高くなります。

高気密・高断熱について 明確な基準はありませんが、国土交通省が定める省エネ住宅のUa値の基準は、地域区分によって異なりますが最低基準が0.87となっています。

(※1) 国土交通省 国土技術政策総合研究所『長持ち住宅の選び方』

高気密・高断熱のメリット

高気密・高断熱のメリット

高気密・高断熱な住宅に住むことには、以下のようなメリットがあります。

  • 冷暖房費を削減できる
  • 室内が快適になる
  • ヒートショックから身を守ることができる
  • 結露によるカビ・ダニの予防に
  • 災害対策にも

詳しくは関連記事「高気密・高断熱住宅とは?メリット・デメリットについて解説!」にて紹介しておりますので興味がある方はあわせてご覧ください。

高気密・高断熱はリノベーションでも実現できる?

高気密・高断熱な住宅は新築でなくてもリノベーションを行うことでも手に入れることができます。

住宅性能向上リフォーム(リノベーション)は、政策としても重要な課題となっているので、リフォーム(リノベーション)を促進するための減税制度など優遇制度が多く用意されています。
また、自治体ごとにそれぞれ課題があり、独自の補助金制度を設けているケースが多くあります。

どういった制度があるかは、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で検索できるので、関心がある方はお住いのエリアでどのような補助金制度があるのかをお調べいただくのが良いかと思います。

また、関連記事として「【2023年】断熱リフォームで使える補助金を解説! 注意点は? 」もございますので、ぜひご覧ください。

参考文献

※1 国土交通省 国土技術政策総合研究所『長持ち住宅の選び方』