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24時間換気と給気口の基礎知識

2023.06.29 2024.03.13
24時間換気と給気口の基礎知識

24時間換気を適切に行うにあたって、給気口は大切な役割を果たします。

この記事では24時間換気と給気口の基礎知識について解説します。

24時間換気システムとは

24時間換気システムとは、居住空間の空気を室外の空気と入れ替え、家の中の空気を新鮮でキレイな状態で循環させる設備のことです。

2003年の建築基準法の改正によって義務化され、法律が変わってから建てられる家には、導入が義務付けられています。

24時間換気システム 設置義務化の理由はシックハウス症候群対策(※1)

シックハウス症候群対策

24時間換気システムの設置が義務付けられた理由は、主にシックハウス症候群を防止するためです。

シックハウス症候群とは、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康への影響のことです。
その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。

最近の住宅は、高気密化・高断熱化などが進み、気密性が高いため、化学物質による空気汚染が起こりやすくなっており、何もしないと室内の空気がこもってしまいます。
住宅の中の空気を適切に循環させ、シックハウス症候群を予防するためには、住宅全体で「計画的な換気」を取り入れる必要があり、24時間換気システムの設置が義務付けられたのです。

詳しくは、関連記事の『マンションの24時間換気システム、設置の背景やメリットを解説』で解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。

(※1)国土交通省『シックハウス対策について知っておこう』

24時間換気のメリット

24時間換気のメリット

24時間換気のメリットとして第一は、先に述べた「シックハウス症候群対策」ですが、このほかにも「カビの発生を抑制できる」「家の中のにおいを入替できる」ことが挙げられます。

カビの発生を抑制できる

カビは、湿気が多い環境で繁殖します。
このため、24時間換気によって空気を滞留させないことで室内の湿度を下げ、カビの発生を抑制することができます。

また、24時間換気によって、室内の汚れた空気を排出することで、カビの発生原因となるホコリやダニなどの繁殖を抑制することができます。

家の中のにおいを入れ換えできる

24時間換気は、室内の空気を常に循環させています。

そのため、室内にこもったにおいが排出され、新鮮な空気が取り込まれます。

例えば、料理をした後やペットを飼っている場合、24時間換気をすることでにおいが軽減されやすくなります。

給気口の役割

私たちが1日に吸い込む空気の量は、ペットボトル3万本分にも及びます。
また、人が1日に摂取する物質のうち、室内の空気は57%です。飲み水は8%、食物は7%と比べても多くを占めますので、室内の空気環境の重要性がわかります。

給気口とは、室内に空気を送り込む開口部のことです。吸気と排気のバランスをとるため、換気扇を設ける部屋には必要です。

現代の家は24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、給気口はその換気システムの一部として、外の新鮮な空気を取り込む入り口の役割を果たしています。

この給気口につけるフィルターには様々なタイプがあります。目的に応じたフィルターの例をご紹介いたします。

防虫対策が目的なら

夏場など、虫が多く発生する季節には、給気口から虫が侵入する場合があります。

フィルターを取り付けておけば、基本的に虫が入ってくることはなくなりますので、気になる方は防虫用のフィルターに変更することをオススメします。

防音対策が目的なら

給気口は外とつながっているため、外の音を取り込みやすく、また、室内の音が出やすくなります。

塞いでしまうと給気効果がなくなってしまうので、給気口用の防音フィルターを取り付ける方法がオススメです。

ただ、防音用フィルターを取り付けると、通常時よりも換気効果は下がってしまうことがありますので、意識的に換気を行うことも心がけましょう。

花粉軽減が目的なら

給気口から外気を取り込む際、季節によっては花粉なども一緒に入ってきてしまいます。

そこでオススメなのは、花粉や砂ぼこりなどの異物をブロックするフィルターを取り付けることです。
換気時にフィルターを通過させることで、部屋に入ってくる花粉の量を軽減することができます。

新築マンションの給気口は、フィルター付きがほとんどです。
フィルターは、換気の際に空気中のホコリやダニなどの汚れを除去する役割をしていますが、フィルターが汚れてしまうと、空気の流れが悪くなり、換気システムの効果が低下します。そのため、フィルターは定期的に掃除や交換をする必要があります。

フィルターの掃除は、1カ月に1回程度、新しいフィルターへの交換は2年に1回程度が目安です。
フィルターの掃除は、掃除機でホコリを吸い取るのが基本ですが、メーカーによっては水洗いができるタイプもあります。
詳しくは、メーカーの取扱説明書に従ってください。

給気口の掃除

ここまで、給気口・給気口内のフィルターの役割についてご紹介しました。

ここからは、給気口の掃除方法についてご紹介します。

室内側の給気口の掃除

室内側の給気口の掃除は、下記の手順で行います。

  1. 給気口のキャップを外す
  2. フィルター抑えとフィルターを外す
  3. フィルターの表面のゴミやホコリなどを掃除機で吸い取る

換気扇・排気口の掃除

換気扇・排気口も、カバーをはずして中のフィルターを取り出し、優しく水洗いしましょう。

汚れを落とし、乾かしてから取り付けます。

24時間換気システム(換気扇)の掃除

浴室暖房換気乾燥機等、24時間換気システム(換気扇)のフィルターの掃除も必要です。

このほかに、外にある給気口も汚れるので、カバーとフィルターを外して水洗いし、しっかり水気が乾いてから取り付けてください。

ここまで、一般的なお手入れを説明しましたが、お手入れや掃除方法はメーカーによって違うので、取り扱い説明書を読んで適切に行ってください。

24時間換気システムは、2週間に1回程度の掃除、1年に1回程度のフィルター交換がおすすめです。
掃除は、フィルターのホコリを掃除機で吸い取るのが基本ですが、メーカーにより水洗いできるタイプもあります。

詳しくは、関連記事の『【画像付】24時間換気システムの掃除方法まとめ|カバーの外し方・掃除できない場合の対処法』で解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。

まとめ

24時間換気と給気口の関係について、下記4点にまとめました。

  • 24時間換気システム義務化の理由は、主にシックハウス症候群対策
  • 24時間換気システムには、様々なメリットがある
  • 給気口は換気システムの一部として、外の新鮮な空気を取り込む入り口の役割があり、フィルターをつけることで機能を付加することができる
  • 給気口の機能を維持するためには、定期的な清掃・フィルター交換が必要

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参考文献

(※1)国土交通省『シックハウス対策について知っておこう』