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断熱材とは?断熱材の種類と特徴、断熱材を選ぶ時のポイントを大公開

2023.06.27 2023.06.28
断熱材とは

断熱材には様々な種類があります。それぞれの特徴と断熱材を選ぶ時のポイントについて本記事では紹介いたします。

断熱材とは何か

断熱材とは、建築物の内部と外部の熱の出入りを遮り、住まいの省エネ性能を高めるために用いる建材のことをいいます。

断熱材の種類(※1)

断熱材は、空気の断熱性を生かし、室内の快適性を向上させるのに貢献します。

原料の違いで「無機繊維系」「木質繊維系」「発泡プラスチック系」「天然素材系」の4種類 に分けることができます。

断熱材の種類ごとの特徴

●無機繊維系
無機繊維系は、石油や石炭などの天然資源から作られた断熱材です。 耐火性に優れており、価格も比較的安価な点もメリットとしてあげることができます。

住宅で使われる代表的な素材は「グラスウール」「ロックウール」「ポリエステル」があります。


「グラスウール」

グラスウールは、ガラスを熔解して繊維状にし、接着材を吹き付けて成形した断熱材です。

グラスウール板は国に不燃材料として認められていて、日本だけでなく北欧や北米でもよく使われています。
数ある住宅用断熱材の中でもグラスウールのシェアは5割以上と推定されており、多くの住宅に使用されています。
かつては結露やズレ下がりなどが指摘されたこともありましたが、使われる頻度が高いので施工会社も経験があるケースが多く、施工技術の向上により施工品質は担保されやすくなっています。
また、グラスウール自体、普及により断熱性能が向上している点もメリットとしてあげることができます。

グラスウールについて詳しくは関連記事『断熱材グラスウールのメリット・デメリットと断熱材を選ぶ際の注意点 』をご覧ください。

「ロックウール」

ロックウールは、玄武岩や鉄鋼スラグ(製鉄時の副産物)などを溶かして繊維状にした断熱材です。

グラスウール同様、不燃材料と認められています。
日本でのシェアはまだ少ないですが、北欧ではグラスウールと同じくらいシェアがあり一般的に使用されている断熱材です。
国内でも、マンションの外張り断熱工法でも使用されることが増えている断熱材です。

「ポリエステル」

ポリエステルは、ペットボトルを再生したポリエステル繊維でつくられた断熱材です。

形状はボード状で、熱を加えると形状が固定されるため、接着材が不要です。
そのためホルムアルデヒド(※)を発生させず、万が一燃えても炭酸ガスと水に分解され、有害ガスを発生させない点にメリットがあります。

(※)ホルムアルデヒドは、建築基準法に制限値があるなど、規制対象にもなっています。 ホルムアルデヒドは、刺激臭があり、人体に有害な物質で、吸入すると、目や鼻、のど、肺に刺激を与え、呼吸困難、咳、くしゃみ、鼻水などの症状を引き起こすことがあります。また、ホルムアルデヒドは、発がん性物質としても知られています。

●木質繊維系
木質繊維系は、木片などの天然素材を圧縮して作られる断熱材です。吸音性・吸放湿性に優れますが、無機繊維系よりも価格は高めです。

例としては「セルローズファイバー」があります。

「セルローズファイバー」

セルローズファイバーは、新聞の古紙などを粉砕して綿状にした断熱材です。

綿状で、施工方法は吹き込み(雪をつもらせるように敷きつめる)と、吹きつけ(壁などに直接固着させる)があります。
グラスウールよりも吸音性能が高いといった特徴があります。

●発泡プラスチック系
発泡プラスチック系は、プラスチック素材の中の細かな泡の中に、空気やガスを閉じ込めることで熱を伝わりにくくする断熱材です。
断熱性に優れていますが、価格が高い点がデメリットです。

ここでは「ビーズ法ポリスチレンフォーム」「押出法ポリスチレンフォーム」「硬質ウレタンフォーム」 「高発泡ポリエチレンフォーム」「フェノールフォーム」について紹介いたします。

「ビーズ法ポリスチレンフォーム」

ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPSとも呼ばれる)は、ポリスチレン樹脂に発泡剤や難燃剤を添加してビーズ状にしたものを発泡成形した断熱材です。

耐水性が高いほか、軽くて衝撃にも強いという特徴があります。一般には「発泡スチロール」として知られています。

「押出法ポリスチレンフォーム」

押出法ポリスチレンフォーム材料は、上記ビーズ法と材料はほぼ一緒ですが、成形方法が異なります。

硬質で耐圧力があり、吸水・吸湿性が小さいという特徴があります。外張り断熱工法や家の基礎部分の断熱によく使われる断熱材です。

「硬質ウレタンフォーム」

硬質ウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えて成形した断熱材です。

外張り断熱工法で使用されることが多く、外張り断熱では定番の断熱材のひとつとしてあげることができます。
ボード状の製品を使用する方法と、現場で発砲させ吹き付ける(壁などに直接固着させる)方法があります。
マンションで充填断熱する場合は、吹き付けるケースで使用されることが多いです。

「高発泡ポリエチレンフォーム」

高発泡ポリエチレンフォームは、ポリエチレン樹脂に発泡剤を加えて成形した断熱材です。

他の発泡プラスチック系断熱材より柔軟性があるので、狭い部分に隙間なく施工しやすいといった特徴があります。

「フェノールフォーム」

フェノールフォームは、フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を加えて成形した断熱材です。

長期的に安定して断熱性能を保つという特徴があります。
発泡プラスチック系の中では防火性に優れ、炎を当てても煙や有害ガスをほとんど発生しないといった特徴があります。
形状はボード状のほか、金属板や石膏ボードなどとの複合パネルもあります。

●天然素材系
天然素材系は、自然生まれの天然素材を使っており、調湿性能が高く、環境に優しい断熱材です。

価格が高いので一般住宅ではあまり使われないですが、ここでは「ウール」について紹介します。

「ウール」

ウールは羊毛を使った断熱材です。形状はマット状や、バラした綿のような状態があります。近年商品化が進んできた断熱材のひとつです。

(※1)『令和2年度 国土交通省補助事業 住宅省エネルギー技術講習テキスト』

断熱材を選ぶ時のポイント(※1)

断熱材を選ぶ時のポイント

断熱材は、建物の断熱性能を高め、冷気や熱が開口部や躯体などを伝わって出入りするのを抑え、室内の暑さ寒さを防ぐことを目的として使用します。

断熱材によって特徴や価格、耐久性や施工の難易度に差があるため、断熱効果とコストを考慮して断熱材を選択するのがポイントです。

断熱方法の種類

断熱の方法は、「充填断熱」と「外張り断熱(いわゆる外断熱)」、充填断熱と外張り断熱の両方を施工する「付加断熱」の3種類があります。

以下、それぞれの特徴を紹介します。

充填断熱

充填断熱は、柱と柱の間など、躯体内の空間に断熱材を充填する工法です。

充填断熱のメリットは、外張り断熱工法と比べてローコストで施工できることが多い点をあげることができます。
また、ほとんどの種類の断熱材を使用できる点でも優れています。

デメリットとしては、柱と梁のつなぎ目などを避けながら気密・防湿シートを張る必要があるため施工方法が比較的煩雑であることがあげられます。

外張り断熱

外張り断熱は、柱・梁などの外側に断熱材を施工する工法です。

外張り断熱工法は柱を外側から覆うため充填断熱と比べて柱部分からの熱の出入りがない点で優れています。
また、充填断熱とくらべて施工しやすい工法であることも特徴のひとつです。

デメリットとしては、断熱材が厚すぎると、地震の振動などで断熱材が垂れ下がる可能性があるためその対策工事が必要なことや、断熱材をたくさん使うことで、外側の壁の厚みが増えるため充填断熱よりも室内が狭くなる可能性があることなどが挙げられます。

なお、外張り断熱工法や基礎部分の断熱などではグラスウールなど防蟻性の高い断熱材が有利と言われています。

付加断熱

付加断熱とは、充填断熱と外張り断熱の両方を施工する工法です。

付加断熱は、充填断熱と外張り断熱の両方を施工する分コストはかかりますが、充填断熱や外張り断熱だけよりも断熱材を厚くできるため、断熱性能を高めやすい工法です。

(※1)『令和2年度 国土交通省補助事業 住宅省エネルギー技術講習テキスト』

断熱材・断熱方法の選び方

断熱方法の中では、コスト的に充填断熱がコストを抑えられる傾向ですが、住宅の断熱性能はあくまでも断熱材の性能や断熱材を使う量、断熱材を施工する会社の施工技術によって変わってきます。

まずは、どの程度の断熱性能を求めるのかを決め、それに適した断熱材断熱方法を選ぶのがポイントです。

重要なのは、断熱材や断熱方法の種類よりもしっかりと断熱できる住宅性能を備えることです。
断熱性能は施工品質で大きく変わるので、信頼できる施工会社を選ぶのがポイントとなります。

施工会社を選ぶ目安の一つ「C値」

施工精度が高いかどうかを見極めるにはC値(住宅における相当隙間面積)をホームページなどで調べたり、施工会社に確認してみることがおすすめです。

「C値」とは家の気密性を示す指標で、数値が低いほど気密性が高いことを表します。

気密性の高い家をつくれるということは、施工技術が高く、施工品質が担保されている会社で、断熱材もキチンと隙間なく施工できる技術がある施工会社である可能性が高いです。

C値については関連記事『気密性を示す数値、C値って何?』にて詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。

まとめ

断熱材についての要点を、下記4点にまとめました。

  • 断熱材には様々な種類があり、それぞれに特徴がある
  • 断熱材の施工方法は3種類あり、断熱材同様それぞれに特徴がある
  • どの程度の住宅性能を求めるかによって、断熱材や施工方法を検討するのがおすすめ
  • 断熱性能を高めるためには断熱材や施工方法だけでなく、施工技術が重要。信頼できる施工会社に相談することがおすすめ

断熱性能で選ぶならエコキューブがおすすめ

断熱性能で選ぶならエコキューブがおすすめ

高断熱な住まいに興味、関心がある方は、インテリックスのエコキューブがおすすめです。

ここでは、その理由とエコキューブについてご紹介します。

エコキューブとは

エコキューブは高気密・高断熱住宅に高機能換気システムを備えることで、快適で健康的な暮らしを実現する省エネリノベーションです。
物件ごとに温熱計算を行い、物件の立地や構造など諸条件にあわせた独自の基準を用いてリノベーション前とリノベーション後の住戸エネルギー消費量や冷暖房費(冷房負荷26度、暖房負荷22度、エアコンのみで算出)のシミュレーションを行い適切なリノベーション計画の立案から施工を行います。
断熱材を施工する場合は、一般的なグラスウールの約2倍の断熱・低吸水性能を持つ断熱材を使い、家の中でもっとも熱が逃げやすい窓には内窓(樹脂製サッシ)を採用するなど、高気密・高断熱住宅をリノベーションで実現しています。

エコキューブなら、室温を快適に保って健康的かつ経済的な暮らしを実現できます。

お住まいの家のリノベーションや快適な住まいへの引渡しを検討の方はエコキューブを是非ご検討下さい。

インテリックスとは

インテリックスとは、リノベーションマンション事業を中心に、不動産の仕入れや企画、運営、販売、管理業務を担う総合企画会社です。

1995年7月に設立し、マンション購入に、新築か中古しか選択肢がなかった市場に中古マンションリノベーションという、新しい市場を創造し、これまでに累計2万5千戸(2022年12月時点)の販売を行ってきました。

その中古マンションのリノベーションに更なる快適性を高め、省エネ化も実現する『エコキューブ』をグループ会社一丸となって、開発・導入を推進しています。

参考文献

(※1)『令和2年度 国土交通省補助事業 住宅省エネルギー技術講習テキスト』