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窓の気密性・断熱性能を上げる方法と効果を解説!

2023.07.13 2024.03.13
窓の気密性・断熱性能を上げる方法と効果

家の中で最も熱の出入りが大きいのが窓。

この記事では窓の気密性・断熱性能の上げ方やその効果などについて紹介します。

室内の熱、いちばん多く逃げるのは窓(※1)

熱が室内から逃げるのも、室内に入ってくるのも、そのほとんどが開口部である窓から。

つまり、住まいの高気密・高断熱化をはかるのに効果的かつ不可欠なのが窓の高気密・高断熱化なのです。

国土交通省『快適・安心なすまい なるほど省エネ住宅』では、夏の外気の熱の73%が開口部から侵入し、冬の室内のの熱の58%が開口部から逃げていると紹介されています。

※1 国土交通省『快適・安心なすまい なるほど省エネ住宅』

気密性とは? 断熱性能とは?

気密性とは、屋内と屋外の空気の移動による熱などの移動を少なくする性能のことです。

住宅での気密性とは、隙間風などが入らない状態のことを言います。
気密性が高いほど熱の移動が減るので、室温を維持しやすい環境といえます。

断熱性能とは、室内から外皮(基礎・外壁・屋根・開口部など)を通して外へ逃げる熱量を、外皮全体の面積で平均した数値で評価されます。
北南に長い日本では地域ごとに求められる断熱性能が異なります。

断熱性能が低い住宅は外気の影響を受けやすいため、夏は冷房の涼しさを、冬は暖房の暖かさを保つことができません。

また、断熱性能だけを高めても、住まいの快適性を維持することはできません。省エネ住宅では断熱性にあわせて気密性の高さも求められます。
断熱性能の高い住宅は外気温の影響を受けにくく、気密性の高い住宅はその室温を逃さないため、この2つの性能の高さが求められるのです。

窓の気密性・断熱性を上げる効果

窓の気密性・断熱性を上げる効果

窓は熱の出入りの大きいスペースのため、窓の気密性・断熱性を高めることで住まいの快適性を高めることができます。

気密性と断熱性が高い家では、以下のようなメリットが期待できます。

  • 季節を問わず快適に過ごせる
  • 冷暖房費が安くなる
  • 遮音性が高くなる
  • 結露・カビが発生しづらくなる

気密性と断熱性の高い家では、外気の影響を受けにくく、室内の熱を逃がしにくいので、冷暖房効率を損なわず、快適な暮らしを実現できます。
冷暖房効率が上がるので、 結果、冷暖房費を抑えることにもつながります。
また、気密性が高い住宅は必要以上に空気の出入りがなく、音の出入りも少なくなるので、遮音性が高まります。
さらに、特に冬場に気になる窓の結露や、結露から来るカビの発生も大幅に抑えることができます。

それぞれのメリットについては関連記事「気密性が高いとどうなる?重要性やメリット・デメリットを簡単に解説」で詳しく解説しているのでご覧ください。

窓の断熱性能を上げる方法

窓の断熱性をアップさせるためには、いくつかの方法があります。

その中でも、コストや時間をかけずにできる方法は、ホームセンターで購入可能なものを使った簡単なDIYです。
ここでは、1カ所当たり千円台~数千円でできる方法をいくつかご紹介します。

カーテンを買い替える

今使っているカーテンが薄い場合、厚手のカーテンに買い替えるだけでも断熱効果は上がります。

床に届くくらい長めであれば、足元のすきま風にも効果が期待できます。

さらに、夏の熱を防ぐには遮熱タイプのカーテンがおすすめです。
ただしこちらの遮熱効果はカーテンを閉めている間限定の効果です。

プラダンを立てかける


プラダンとは、プラスチック段ボールの略称で、ホームセンターなどで売られているプラスチックの板です。

ホームセンターで窓のサイズより少し大きめにカットしてもらい、窓の室内側に立て掛けて設置します。

窓全体に立て掛けるのに抵抗がある場合は、窓の下半分だけでも効果があります。
とても手軽な方法ですが、窓の開閉はしにくくなってしまいます。

断熱シートを貼る

断熱効果のある窓用のシートがホームセンターなどで売られています。

設置の仕方は水貼りタイプやシールタイプなど、商品により様々なので、貼りやすさや調整のしやすさを確認し、希望に合ったものを選びましょう。
ただし、窓ガラスのタイプによっては、断熱シートを貼ることでヒビが入ってしまう危険性がある場合もあるので注意が必要です。商品情報の詳細を確認しましょう。

これらの方法を組み合わせることで、窓の断熱性を高めることができます。

断熱性が高くなると、冷暖房効率が上がり、冷暖房費の削減につながります。また、結露やカビの発生を防ぐ効果もあります。

DIYで内窓を付けて断熱効果のある二重窓にする

窓ガラスは、1枚よりも2枚のほうが、ガラスの間の空気層のおかげで断熱効果が高まります。

これを利用したのが、簡易内窓です。簡易内窓は、DIYで取り付けられるキットが数千円から2万円程度で販売されています。

簡易内窓の取り付けは比較的簡単ですが、DIYに慣れていない場合などは、隙間ができてしまい、あまり効果がないこともあります。
また、簡易内窓の面材は、ガラスではなくポリカーボネート製のものが多いため、ガラス窓で二重にする場合に比べると断熱効果は劣ります。

簡易内窓は手軽に断熱効果を高めることができる方法ですが、効果を最大限に発揮させるためには、正しく取り付けることが重要です。
また、ガラス窓で二重にする場合に比べて断熱効果は劣るため、断熱性を重視する場合は、ガラス窓で二重にする方がよいでしょう。

窓の気密性を上げる方法

次に、窓の気密性を上げる方法をご紹介いたします。
こちらはDIYでは難しいですが、家づくりやリノベーションを検討する際の参考となれば幸いです。

樹脂製サッシを採用する

樹脂製サッシとは、窓枠が樹脂製の窓のことです。

樹脂製サッシは、アルミサッシに比べて気密性が高く、断熱性にも優れています。また、腐食や変形に強く、耐久性にも優れています。

窓の数を考慮する。 FIX窓を使う

窓が多すぎると気密性が低くなるため、気密性を考慮する場合は、窓は少なめを意識しましょう。

窓が少ないことで明るさが足りなくなる場合は、FIX窓を採用するとよいでしょう。

FIX窓は開閉できない窓ですが、気密性が高く、掃除も簡単です。

引違い窓、上げ下げ窓を少なくする

引違い窓や上げ下げ窓は、縦や横にスライドし、開閉する際に隙間ができてしまうため、気密性が低くなります。

そのため、気密性を重視する場合は、引違い窓や上げ下げ窓を少なくしましょう。

すべり出し窓の採用を検討する

すべり出し窓とは、外側に開いて風を取り入れられる窓で、開き方は横すべり出し窓と縦すべり出し窓があります。

開閉可能でありながら、閉めたときの気密性が高い窓です。そのため、気密性を重視する場合は、すべり出し窓を採用するとよいでしょう。

上記の通り、窓の断熱性や気密性を高める方法には様々な方法があります。
DIYでできる簡単な方法もありますが、より効果を高めるには、窓自体を見直すことも必要です。

家の中で熱の出入りが大きい窓の気密性・断熱性を高めることで、住まいの快適性の向上につながります。

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1995年7月に設立し、マンション購入に新築か中古しか選択肢がなかった市場に「中古マンションリノベーション」という新しい市場を創造し、これまでに累計26,000戸(2023年5月現在) の販売を行ってきました。

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参考文献

※1 国土交通省『快適・安心なすまい なるほど省エネ住宅』