不動産について 省エネ

24時間換気をしていても花粉は大丈夫??

2023.07.06 2024.03.13
花粉症の女性

2003年7月以降に建てられる家に義務付けられている24時間換気。

24時間換気システムで花粉が家の中に入ってこないか不安な方に向けて、24時間換気システムと24時間換気システムでできる花粉対策について紹介します。

住まいの花粉対策はどうすればいい?

住まいの中でできる花粉対策としては、洗濯物の部屋干しや拭き掃除が効果的です。
また、人に付着して室内に入ってくる花粉もあるので、玄関先の掃除も花粉の季節は普段以上に行うのがおすすめです。

タワーマンションであっても、風で舞い上がって花粉が自宅に入ってくることがありますし、人の髪や洋服に付着して、自宅に侵入してくることもあります。

対策としては、室内に入る前に花粉を落とすことはもちろん、玄関に空気洗浄機を置くことなどをあげることができます。

このような対策で、家の中に花粉を持ち込まないようにすることはできますが、2003年7月以降に建てられた家には24時間換気システムの設置が義務付けられています。
この24時間換気システムにより家の中の空気は常に入れ替わりますが、24時間換気システムによって花粉が入ってくる可能性はないのでしょうか?

本記事では、24時間換気システムについてと、24時間換気システムでできる花粉対策を紹介いたします。

24時間換気システムとは(※1)

24時間換気システムとは、居住空間の空気を室外と室内で入れ替え、家の中の空気を新鮮でキレイな状態に循環させる設備のことです。

2003年の建築基準法の改正によって義務化され、2003年7月以降に建てられる家に義務付けられています。

都心に立つマンションなど、立地環境によっては窓を開けることが難しいケースがありますが、24時間換気システムがあることで、窓を開けなくても常時外気を室内に取り入れることができ、また室内の空気を外に排出することで、室内の空気を綺麗な状態に保つことができるのです。

※1 国土交通省『シックハウス対策について知っておこう。快適で健康的な住宅で暮らすために』

24時間換気システム義務化の背景

24時間換気システムの設置が義務付けられた理由は、主にシックハウス症候群を防止するためです。

シックハウス症候群とは、新築やリフォームした住宅に入居した人の、目がチカチカする・喉が痛い・めまいや吐き気・頭痛がするなどの症状です。
その原因の一部は建材や家具、日用品などから発散するホルムアルデヒドやVOC(トルエン、キシレンその他)などの揮発性の有機化合物と考えられています。
「シックハウス症候群」については、まだ解明されていない部分もありますが、化学物質の濃度の高い空間に長期間暮らすことで、健康に有害な影響が出るおそれがあります。

私たちが1日に吸い込む空気の量は、ペットボトル3万本分にも及びます。
人が1日に摂取する物質のうち、室内の空気は約57%で、飲み水8%、食物7%と比べても多くを占めます。このことからも、室内の空気環境は大切だといえます。

高気密住宅では、夏の暑さや冬の寒さ対策のため気密性が高く、何もしないと空気がこもってしまいます。

このため、 室内の空気を適切に循環させ、シックハウス症候群を予防するために、各部屋単独の換気ではなく、住宅全体で「計画的な換気」を取り入れる必要があり、24時間換気システムの設置が義務付けられたのです。

花粉の季節も24時間換気システムを止めてはいけません

24時間換気システムは、室内の空気を1時間に半分以上入れ替える目的で設置されているので、花粉の季節だからといって止めてはいけません。

では、花粉に適した24時間換気システムはあるのでしょうか?

まずは24時間換気システムの種類について紹介いたします。

24時間換気システムには3種類ある

24時間換気システムには、給気と排気の方法により、下記の3種類に分類されます。

24時間換気システムの種類

第1種換気

給気と排気の両方に換気扇などの機械を用います。

24時間換気システム3種類のなかで、最も効率的に換気状態を維持できるシステムです。

第2種換気

第2種換気は、工場など特殊な環境で利用されるシステムであり、マンションでは利用されていません。

この換気システムは空気を入れ込む際の給気のみに機械を用いており、排気は自然に任せます。

第3種換気

第3種換気は、排気のみに機械を使い、給気は自然に任せます。第1種換気よりもコストが抑えられるため、住宅で採用されることが多い傾向です。

『第1種換気』は、空気の出し入れを機械で行うため換気効果は高くなりますが、コストが高くなりがちです。

このことから、住宅・マンションではコストが抑えられる『第3種換気』が多く用いられる傾向です。

花粉対策としては第1種が効果的?

第1種換気は、換気方式の中で最も確実な換気が可能で、空気の流れが制御しやすいタイプです。
気密性の低い住宅でも、比較的安定した換気効果が得られ、花粉の侵入も抑えやすい傾向です。

第3種換気は、低コストで計画換気が可能ですが、気密性が低い住宅では、隙間からの外気の吸い込みにより花粉が室内に入ってくる可能性があります。

こうした点で、花粉対策としては第1種換気がおすすめです。

しかし、住宅・マンションでは第3種換気が多く利用されています。
第3種換気でできる花粉対策としは、給気口に花粉症対策のフィルターを使うことがあげられます。

フィルターには様々な種類があるので、花粉やホコリなどの異物を制御できるのものを選びましょう。

給気時にフィルターを通過させることで、部屋に入ってくる花粉の量を軽減することができます。

フィルターによる効果的な花粉対策の為には、フィルターのメンテナンスも必要です。
使用するうちにフィルターに付着した花粉等をそのままにしておくと、性能を十分に発揮できなくなるからです。

メンテナンス頻度は、掃除は1カ月に1回程度、新しいフィルターへの交換は2年に1回程度が目安です。

フィルター清掃については、『【画像付】24時間換気システムの掃除方法まとめ|カバーの外し方・掃除できない場合の対処法 』で詳しく紹介していますので、興味のある方はご確認ください。

24時間換気システムの花粉対策が気になる方は、住宅会社にどのような換気システムになっているのかを確認することをおすすめします。

また、冒頭で述べたように、花粉対策としては、花粉抑制機能がある空気清浄機を活用することも有効です。

多くの時間を過ごす住宅での花粉対策を行うことで、より快適な暮らしを実現しましょう。

省エネリノベーションエコキューブ

24時間換気システムならエコキューブがおすすめ

新築ではあたりまえとなってきた、省エネ性能をいちはやく中古マンションにも取り入れたのが、インテリックスのエコキューブ。
内窓・冷暖房・換気・給湯・照明などを省エネルギー性能が高い設備へ新規交換することにより、省エネ化を実現しています。
さらに物件ごとに一つひとつ、エビデンスとなる省エネルギー性能レポートを発行し省エネ性能を見える化しています。
*物件ごとに内装内容が異なります。詳しくは、物件ごとにお問合せください。
エコキューブサイトで詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
省エネリノベーションエコキューブ

インテリックスとは

インテリックスは「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」をビジョンに掲げ、新築か中古の2択しかなかったマンション購入に、1995年7月設立以降、「中古マンションリノベーション」という、新しい選択肢・マーケットを創造してきました。

以来、これまでに累計26,000戸(2023年5月現在)以上の販売を行っております。

2022年、リノベーションによる快適性能を高め、省エネ化も実現させる『エコキューブ』をグループ会社一丸となって、開発・導入を推進し、 リノベーションに「住宅性能」という新しい選択肢を提案しています。

参考文献

※1 国土交通省『シックハウス対策について知っておこう。快適で健康的な住宅で暮らすために』