中古マンションがなかなか売れない理由とその解決策について解説します。この記事を読めば、ずっと売れない中古マンションを売るための解決策を知り、現状から一歩踏み出せます。
ずっと売れない中古マンションの原因と解決策を見る前に、まずは現在の中古マンション市況がどのようになっているのかを見ていきます。
公益法人東日本不動産流通機構が発表した「2023年3月度の首都圏中古マンションの成約件数」では前年同月比1.1%増となり、2ヵ月連続で前年同月を上回っています。
また新規登録件数も前年比プラス 24.4%の大幅増となり、3 ヵ月連続で前年同月を上回っています。
さらに㎡単価は前年同月比+6.8%で35カ月連続、成約価格は同じく6.8%増となり34カ月連続で前年同月を上回っています。
このような状況からみて中古マンションの市況は去年に引き続き好調と言えるでしょう。
もちろん、物価上昇の流れが続くか否かなど不安定な世界情勢には注視が必要ですが、これら中古マンション市場の好況を踏まえると、ずっと売れないマンションには市場以外の要因が大きいと言えそうです。
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構
次に、中古マンションをレインズ(※)に登録してから売却できるまでの平均的日数を見ていきます。
公益財団法人東日本不動産流通機構の発表した「首都圏における2023年の不動産流通市場の動向」によると、中古マンションの登録から成約の日数は80.1日となっています。
年 | 中古マンション(日) | 前年比(%) |
---|---|---|
2023 | 80.1 | 12.2 |
2022 | 71.4 | -4.5 |
2021 | 74.7 | -15.4 |
2020 | 88.3 | 8.2 |
2019 | 81.7 | 3.6 |
2018 | 78.8 | 5.5 |
2017 | 74.7 | 7.8 |
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2023年)
上記の表のとおり、2023年以前の成約日数を見ても、大体登録してから2カ月から3カ月程度で成約できると言ってよいでしょう。
なお、マンションの販売を開始するためには、さらに準備期間が必要となります。
販売開始までの準備は、相場の調査・査定・仲介会社の選定・媒介契約の締結など、複数のステップがあるので、準備期間には1か月程度見ておいた方が良いでしょう。
また売買契約締結後には売買代金の決済やマンションの引き渡しなどの対応を行わなければなりません。契約締結後の期間は、1~3カ月程度見ておく必要があります。
したがって売出前の準備期間・販売期間・契約後の期間を合計すると、売却までには一般的に4カ月~6か月程度要すると考えておいた方が良いでしょう。
※レインズ:日本全国の不動産会社が利用する大規模な不動産情報ネットワーク。日本にある多くの不動産取引がこのシステムを通じて行われている。
マンション売却までの平均的な期間が4~6か月程度ということは、逆に6か月を過ぎてもまだ売れていないマンションは、何かしらの課題を抱えているということでもあります。
また売却を担当する不動産会社にとっても、長期間売れないマンションよりも新着物件の方を優先的に売っていった方が効率的であるため、ますます売れにくい状況が続いてしまうこともあるでしょう。
6か月で売れなかった場合、今後の対応は危機感を持っておくことが求められます。
中古マンションがなかなか売れない場合、のんびりと待っていようと考える方もいるかもしれませんが、売れないまま放置しておくことのデメリットは数多くあり、決して楽観視して良いものではないありません。
マンションは一戸建てとは異なり、保有している間は常に管理費と修繕積立金を払っていかなければなりません。その価格はマンションによって異なりますが、一般的には月2~3万円程度。
売りたいマンションにもかかわらず毎月一定の額を支払わなければならないのは、非常にもったいない状態と言えるでしょう。
マンションを保有していると、管理費や修繕積立金だけでなく、固定資産税も支払い続けなければなりません。マンションの広さや築年数によって異なりますが、その価格は一般的には年間10~20万円程度と、決して安いものではありません。
また管理費などの支払いと合わせると、年間40~50万円程度の出費がかさむことになります。
マンションの価値は、基本的には時間が経てば経つほど建物の経年劣化によって低下します。そのため、放置すればするほど劣化によって価値が下がり、ますます売れにくい状況になってしまうということです。
仮に何とか売れたとしても、価値が下がってしまった状態では期待する価格で売ることは難しいでしょう。だからこそマンションは、早く売ることが大切なのです。
以上で見てきた通り、売れるマンションであれば一定期間経過後に売却できることがわかりました。それではなぜずっと売れない中古マンションが存在するのでしょうか。ずっと売れないマンションの原因と解決策について以下で説明します。
まず考えられるのが、売出価格が高すぎることです。売出価格が相場と比べ高いと、買手の購入意欲は低下し、はじめから購入の候補外にされてしまいやすく、内覧に結び付けることはできないでしょう。その結果、買手がつきにくくなります。
さらにマンションが不動産ポータルサイトに長期間掲載され続けれると、買手は売れないのはなにか原因があるのではないかと考えてしまいます。
そのため時間が経過するにつれて中古マンションの売却がより一層難しくなってしまうでしょう。
中古マンションを売却する場合は、まずいくらぐらいの価値があるのか相場を知っておく必要があります。
ネットで同じエリアの類似マンションの取引価格を調べ、妥当な価格を把握しておきましょう。中古マンションの相場を把握しておけば、不動産会社が提示する査定額が妥当なものかも判断できます。
売却を希望するマンションの相場を知るには、一社だけでなく複数の不動産会社から査定を受けることが重要です。複数の会社から査定を受けることで、相場を正確に把握し、適正な売出価格の設定が可能になります。
複数の不動産会社から査定を依頼するには、ご自身で複数社に問い合わせるかインターネットの一括査定サイトを利用する方法などがあります。
異なる不動産会社から査定を受けることで、相場を把握できるだけでなくそれぞれの会社のサービスや費用・手数料などを改めて比較検討することも可能です。
中古マンションの売却を検討する場合、買取業者に相談して納得できる価格で売れるか確認することも選択肢の一つです。
買取業者は仲介専門の不動産会社とは異なり、自社でマンションを買い取り、リノベーション・リフォームを通して付加価値を付け、再販売を行うことが多いです。
そのため、買取価格をすぐに提示してもらえたり、仲介ではずっと売れなかったマンションも買い取ってもらえる可能性があります。
買取を検討されている方は、弊社の直接買取サービスもぜひご検討ください。以下、弊社のサービスの特徴です。
【対応地域】東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
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同じマンション内や近隣で似たようなマンションが売り出されると、競争相手が増えるため、自分のマンションが売りにくくなる可能性があります。
買手は同じ立地条件や価格帯にある複数のマンションから選べるため、売手は不利な立場になるといえるでしょう。
同じマンション内や近隣で似たようなマンションが売り出されている場合、売却時期をずらすとよいでしょう。
同じマンションが多数売り出されている場合、価格競争が激しくなり、売却価格は安くなりがちです。そのため中古マンションの売り出すタイミングを後にずらすと、価格競争に陥らずに希望価格で売却できる可能性があります。
競合となるマンションがある場合には、買取業者に売却を依頼するのも手段の一つです。
買取業者は独自の評価基準や売却のノウハウを持っており、物件の価値を正確に評価し、リノベーションや修繕による付加価値を見込むことができます。そのため、競合物件がある場合でも買い取ってもらえる可能性があります。
また、買取の場合は買取業者が買うと言えばすぐに売却できるため、広告やマーケティング活動、修繕や清掃などの作業は要りません。
※インテリックスでもマンションを直接買い取っているので、売れない中古マンションでお困りの方は無料査定からお気軽にご相談ください。
依頼した仲介会社との相性が悪いと、マンションの売却がうまく進まなくなる恐れがあります。
中古マンションを売却するには、仲介会社との情報共有やコミュニケーションがスムーズに行われることが必要です。相性が悪いとそれが行われず、適正な価格設定ができなかったり、売却活動がうまく行われません。
したがって業者の知識やスキル・誠実さなどを比較し、相性の良い信頼できる仲介会社を選ぶことが重要です。
既に仲介会社とへ依頼している場合、相性が悪いと感じたときは、遠慮せずに相談することが重要です。仲介会社は、顧客のニーズに応えるために最善を尽くす責任があります。
それでもなお仲介会社との相性が合わないと感じた時は、中古マンションの売却が得意な別の仲介会社に依頼することも検討しましょう。
同じマンションや近隣を扱ったことがある会社ならば、適切な価格設定や販売戦略をもとにより効果的な売却活動が期待できます。
広告宣伝がうまくいっていないと、買手の目に留まらず、売却が難しくなる恐れがあります。
中古マンションを売却するためには、できるだけ多くの人々に知ってもらわなければなりません。そのためには適切な販売戦略を策定し、効果的な広告宣伝を行うことが重要です。
とくに不動産ポータルサイトに中古マンションの特徴を上手く掲載されていないと、多くの人々に情報を届けることができません。
中古マンションの売却で広告宣伝がうまくいっていない場合、まず契約している仲介会社に相談してみましょう。
仲介会社は、広告宣伝をはじめとする中古マンションの売却戦略を立案し、実行するパートナーです。したがって仲介会社に相談すれば、売却を促進するための適切なアドバイスや提案を受けることができるでしょう。
不動産ポータルサイトは、物件の種類や地域など各種の検索条件を設定できるためニーズのある買手の目に触れやすい媒体ですが、パンフレットやチラシ・ダイレクトメールなどの活用も有効です。
これらのツールについて、仲介会社に相談しご自身の希望を伝えることも必要です。
契約している仲介会社によっては、適切なアドバイスや提案をうけられないこともあるかもしれません。そのような場合は、別の仲介会社に相談することも検討しましょう。
ただし別の仲介会社に変更する場合には、既存の媒介契約に基づく手数料やペナルティなどが発生する可能性があるため、注意が必要です。
また契約している不動産会社の広告宣伝や売出価格・売却期限などの条件も、あらかじめきちんと把握しておかねばなりません。
自宅マンションに問題があると、売却は難しくなることもあります。立地が悪い・管理体制・騒音や振動がひどい・建物の老朽化・例えば部屋が汚れているなどが挙げられます。
そのようにマンション自体に問題がある場合は、買手の評価が下がり売却が難しくなる可能性があります。
部屋が汚れている場合、まずは自分で整理整頓することが解決策として挙げられます。
内覧をしてもらう際には、買手が来る前に空気の入れ替えをして、部屋をきれいにしておくことで、部屋の印象だけでなく、売手の良い印象にもつながります。
また買手は、ネット上に掲載されている見栄えの良い写真などを見て問い合わせてくるため、清潔な状態であることを期待して内覧に来ることも多いです。
買手がどれだけ期待しているかによりますが、そのような状況においてマンションが汚れていたり、悪臭がしてしまうと、買手はそれだけで興味を失い売却するのは難しくなるでしょう。
したがって内覧の際には、部屋の整理整頓はもとより、空気の入れ替えをするように心がけましょう。
自分で掃除を行っても汚れを落とすことができない場合や、カビの発生が激しいような場合は、プロの清掃業者に依頼することもご検討ください。
特に浴室や洗面所・トイレ・キッチンなどの水回りは、汚れやすくカビが発生しやすい箇所です。プロの清掃業者は、専門的な技術や道具を使って清掃を行うため、買手は快適に内覧できるようになります。
ただし、ハウスクリーニング業者によっては、料金やサービス内容に違いがあるため、複数の業者を比較検討してから依頼することをお勧めします。
なおハウスクリーニングの価格は部屋の大きさおよび居住の有無によって異なりますが、一般的な相場は下記の通りです。
• 1R、1K…14,000円〜35,000円
• 1LDK〜2LDK…20,000円〜60,500円
• 3LDK以上…33,000円〜72,000円
マンション自体に問題がある場合、デメリットを相殺する独自の強みを見つければ、売却できる可能性が広がります。例えば次のような例が挙げられます。
• 郊外にあり交通の便が良くない⇒静かな環境が保たれていることをアピール
• 車や電車などの騒音がある⇒交通の便が良いことをアピール
• 人が集まるところがありうるさい⇒スーパーや学校・幼稚園が近く便利
• 専有面積が広く価格が高い⇒収納スペースが広いことをアピール
このように、マンション自体に問題がある場合には、弱点が反対にメリットになるような部分を見つけそれをアピールすることで、買手の目に留まる可能性は高くなります。
次のような問題があるマンションは、いくらデメリットを相殺するマンションの強みを見出そうとしても売却するのが難しいもしれません。
• 静かな環境でも立地・交通の便がそれ以上に気になる
• スーパーや学校・幼稚園が近く便利だが騒音がそれ以上に気になる
• 交通の便が良くても騒音や日当たりなど他の環境面がそれ以上に悪い
これらのマンションの中にはメリットよりもデメリットが大きく上回ってしまい 、結果として買手がなかなか現れず、売却に時間を要するかもしれません。
売却しにくい中古マンションは、買取業者に相談すれば、買い取ってもらえることがあります。
買取業者は、そのままでは売れにくい中古マンションをリノベーションやリフォームし、付加価値を付けて再販売します。
そのため現状では売りにくいときでも、独自に価値を見出して買取ってもらえる可能性があります。
ただし業者目線で買い取ってもらう場合、市場価格よりも安くなることが一般的です。
また、どのようなマンションでも買い取ってもらえる訳ではなく、建物全体の状態が良くないマンションや立地が悪いマンションなどは、買取ってくれないケースもあります。
したがって買取を依頼する場合には、複数の業者から見積を取り、買取可否を確認したり、買取価格や条件を比較することが重要です。
なるべく早く中古マンションを売ってしまいたい場合に、不動産買取業者を利用するのは有効な手段の一つです。
ただし、玉石混交の不動産業界において、信頼のできる業者を探すのもなかなか骨が折れる作業と言えるでしょう。そんな時は、インテリックスにお任せください。
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売れないマンションは、価格を下げたり、不動産会社を変えたり、広告宣伝を強化するなどの方法で売却できる場合があります。
まだ取り組んでいない解決策がある場合は、なるべく多くの施策を実行に移しながら、売れるための仕掛けを続けていきましょう。
それでも売却できない場合には、買取業者に相談してみるのも有効です。
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