マンションを購入する際の価格の目安は年収の5倍までと言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?中古マンションを購入すると月々の住宅ローンの返済だけでなく、維持管理費や税金なども必要です。無理のない中古マンションの購入金額について検証してみましょう。
もくじ
住宅金融支援機構の行った「2017年度 フラット35利用者調査」から、中古マンションを購入した人たちの、購入金額と年収の関係に迫ってみましょう。
この調査は、2017年4月1日から2018年3月31日までに、全期間金利固定の住宅ローン・フラット35を借り入れて中古マンションを購入した9,510件のデータを集計したものです。
2017年度に中古マンションを購入した世帯年収の構成比を見ると、年収400万円未満が34.3%、400万円台と500万円台の世帯が32.6%、600万円台と700万円台が15.8%、それ以上が17.4%となっています。
中古マンションの融資利用者の平均購入金額は2,844万5,000円でした。平均年収は595.6万円。単純計算をすると、中古マンションの購入金額は年収の約4.8倍になります。
ちなみに2016年度を見ると、中古マンションの平均購入金額は2,797万1000円で、購入者の平均年収は607.6万円。こちらは、購入金額は年収の約4.37倍でした。
これらのデータから見ると、中古マンションの購入者は、マンションの平均購入金額は年収の4.4倍程度で、年収の5倍という目安よりも低く設定している人が多いことがわかります。 ちなみに、準備した自己資金平均額は318.1万円で、融資の平均額は2,389.4万円。1ヵ月あたりの予定返済額の平均は8.19万円で、平均総返済負担率(収入に対する返済の割合)は18.7%でした。
フラット35が定めている総返済負担率の上限は、年収400万円未満で30%、400万円以上で35%。したがって、中古マンションの購入者は総返済負担率をかなり抑えている人が多いと言えるでしょう。
無理のないローン返済額は、年収に対して25%程度と言われています。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2015年」によると、住宅ローン返済世帯の総返済負担率の平均は20.2%。フラット35での調査結果と考えあわせても、年収に対するローン返済額はやはり20%以下に押さえておくのが理想的です。
フラット35の金利は、2019年6月時点で、借入期間15年~20年で1.21、借入期間21年~35年で1.27でした。しかし、1年前は1.31と1.37だったので、借入可能額を計算する金利は、1.5%くらいまでを考えておいた方が無難でしょう。
年収300万円の場合、年間のローン返済額を年収の20%として計算すると年間返済可能額は60万円。月平均にすると5万円が上限となります。
金利1.5%で20年返済の場合の借入可能金額は1036万円。30年返済だと1448万円、35年返済では1633万円です。
金利2.0%の場合は、20年返済で988万円、30年返済で1352万円、35年返済だと1509万円です。
仮に頭金を2割程度用意できるとすると、30年返済で1600万円~1800万円程度の中古マンションが購入可能という計算になります。
年収500万円の場合、総返済負担率を20%とすると年間のローン返済可能額は100万円。月平均にすると8.3万円くらいになります。
月々のローン返済額を8.3万円として借入可能金額を計算すると、金利1.5%で20年返済の場合は1,720万円で、30年返済だと2,404万円、35年返済では2,710万円です。
金利2.0%の場合は、20年返済で1,640万円。30年返済で2,245万円、35年返済だと2,505万円となります。
上記の借入可能金額に頭金を足した金額が、中古マンションの購入価格の目安です。フラット35の場合、融資率が9割超か9割以下で金利が変わるだけでなく、9割を超えると審査も厳しくなります。頭金はできれば2割程度は用意したいものです。
ローン返済額は年収の2割が安心と言っても、負担の度合いは世帯によって異なります。子どものいる世帯は教育費が大きくなるので、月々の返済は少ないに越したことはありません。詳細についてはインテリックスの相談会でご相談ください。
インテリックスのリノベーション済マンション
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