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断熱リフォームとは?中古マンションをもっとエコで快適にする方法

2023.04.25 2023.08.15
断熱リフォームとは

家の中で快適に暮らすためには、家の断熱性を高める必要があります。

断熱リフォームを行うことで、中古マンションでも外気温に左右されないエコで快適な暮らしを実現することができます。また、家全体に断熱リフォームを施せば、より高い断熱効果を実感することができます。

この記事では、断熱リフォームを検討されている方に向けて、断熱リフォームのメリットや種類、注意点などを解説します。

断熱リフォームとは(※)

断熱リフォームとは、住まいの断熱性を向上し、快適かつ健康的な住空間を作るリフォームのことです。外気の暑さや寒さの影響を防ぐためには、家の断熱性能を高めることが不可欠です。

断熱性の高い家は室内の温度を一定に保つことができるため、快適なだけでなく、冷暖房にかかるエネルギー消費量の削減につながります。

住宅の断熱性や省エネ性には、ある一定の基準が定められています。現代までに基準の改正や導入が行われ、主に省エネの観点から年を追うごとに高い水準が求められるようになりました。

一方、築年数が経過している物件や中古マンションは、現代の水準を満たしていないことが多々あります。

その場合は、断熱リフォームを施すことで、現代の水準と同等の断熱性能を実現することができます。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

断熱リフォームの5つのメリット

断熱リフォームを行うメリットは、次の5つがあげられます。

  • 夏涼しく冬暖かい快適な家に
  • ヒートショックや熱中症の予防に
  • 冷暖房費を節約できる
  • 地球環境にやさしい
  • 結露を防止しカビの発生を防ぐ

以下で詳しく解説します。

夏涼しく冬暖かい快適な家に(※)

断熱リフォームを施すことで、室内の暖気が外に逃げにくくなり、家中どこにいても暖かさを感じられます。

エアコンの効きも良くなるため、暑い夏でも涼しく過ごせるなど、快適な暮らしが実現できます。

断熱性の低い住宅は外気の影響を受けやすいため、冬に暖房をつけても室内が暖まらなかったり、すぐに冷えてしまったりすることがあります。

エアコンをつけても上の方ばかりが暖まり、足元は冷えたままなど、同じ部屋の中で温度差が生じやすくなるのも断熱性の低さが原因です。夏場であれば、外の暑い空気が部屋まで入り込み、室内の温度が上昇しやすくなります。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

ヒートショックや熱中症の予防に

室内の温度差は、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすヒートショックの原因のひとつです。また室内に熱気や湿気のこもりやすい夏場は、家の中であっても熱中症になることもあります。

断熱リフォームで家全体の断熱性が高まると、寒い部屋と暖かい部屋との温度差が少なくなり、ヒートショックのリスクを軽減できます。

また、外からの熱気・冷気の侵入を抑制することで、熱中症の予防にも効果的です。

冷暖房費を節約できる(※)

断熱性の高い家は、室内の涼しい空気や熱を逃しにくく、室内の温度を一定にキープできます。冷暖房設備の効率が向上し、電気代の節約にも効果的です。

断熱性の低い家の場合、エアコンや石油ストーブ、ホットカーペットなど複数のな暖房器具が必要なほど、室内が冷え込むこともあるでしょう。断熱リフォーム後は、エアコンだけでまかなえるようになるなど、冷暖房費を節約できます。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

地球環境にやさしい(※)

冷暖房効率が向上すると、地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)の排出量を削減できます。近年は省エネで地球環境に配慮した、断熱性の高い住宅が推奨されています。

家庭内におけるCO2排出量の削減は、地球環境を守るための大きな鍵を握っています。断熱リフォームを施すことで、家計だけでなく環境にも優しい安心の住まいが実現できます。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

結露を防止しカビの発生を防ぐ(※)

断熱性が高まると外気の影響を受けにくくなり、室温と壁や窓の温度差が軽減されるため、結露やカビの発生を予防できます。

カビは鼻炎や喘息などのアレルギー症状を引き起こす原因ともいわれ、高温多湿な環境を好みます。結露やカビの発生を抑えることで、アレルギー症状の予防も期待できるでしょう。

また結露は、カビや木材腐朽菌を発生させる原因となるほかに、進行するとシロアリ被害を招く可能性もあります。気づかないまま放置すると建物の劣化が進行したり、駆除するための費用や手間が必要になったりします。

家を長持ちさせるためにも断熱リフォームはおすすめです。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

断熱リフォームの種類

断熱リフォームの種類

断熱リフォームにはさまざまな種類があるため、どれを選べば良いのか迷う方もいるでしょう。

断熱リフォームには主に4つの種類があります。

窓の断熱リフォーム(※)

窓は、熱の出入りが最も多い場所です。窓をしっかり断熱できれば、家の断熱性は大きく向上できます。

窓の断熱リフォームは、主に「窓(サッシ)交換」と「内窓の設置」の2つがあります。

マンションの窓(サッシ)は共用部の扱いになるため、個人で交換できない可能性が高いです。その場合、窓の内側に内窓を設けることで外と室内の熱の出入りを少なくし、断熱性が向上できます。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

床の断熱リフォーム(※)

床の断熱リフォームは床下から侵入する冷気を防ぐことができるため、フローリングが冷たく感じる、冬になると足元が冷えるといった場合におすすめです。

床の断熱リフォームには、床の張替え工事等に合わせてを行う「床上の断熱リフォーム」と、床下から断熱材を施工する「床下の断熱リフォーム」があります。


床上の断熱リフォームは、内装材の張り替えと合わせて、繊維状やボード上の断熱材を施工します。


一方で床下の断熱リフォームでは、既設床のまま、床仕上げ工事は行わずに、床下から断熱材の施工を行います。こちらは吹きつけタイプの断熱材を使用することができます。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

天井の断熱リフォーム(※)

天井断熱は、夏の暑さを予防でき、年中快適な空間を保つことができます。

特にマンションの最上階に住んでいる場合は外気温の影響を受けやすいため、天井の断熱リフォームは有効です。

ただし、断熱性能を向上したいがために断熱材を厚くし過ぎると、天井の高さが低くなってしまうので気をつけたいところです。

空間と性能のバランスを見ながら、どのくらいの厚みの断熱材を導入すべきか判断しましょう。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

壁の断熱リフォーム(※)

窓、床、天井に加えて壁まで断熱リフォームを行えば、家全体を断熱材ですっぽりと覆うことができます。

壁も外気と接する箇所の断熱リフォームを行うことをおすすめします。

マンションの場合は、隣接住戸がない箇所や、窓が玄関がある箇所などです。戸建住宅の場合は、壁は外気と接する箇所が多いため、施工範囲が広くなることが多いです。

適切な施工を行うことで十分な断熱性能を得ることができますので、窓・床・天井・壁のどこに断熱リフォームを施すべきか、過剰な工事にならないよう施工会社と相談しながら優先順位を決め、予算に合った断熱リフォームを行いましょう。

(※) 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』

どこまでやればいい? 断熱リフォームの考え方

断熱リフォームの考え方

断熱リフォームでは、どこまで工事を行えば良いのか頭を悩ませることでしょう。

それぞれにあった断熱リフォームを実現するために、以下の3つの考え方を紹介します。

開口部のみの断熱リフォームを行う

予算を抑えて断熱リフォームを行う場合、窓や玄関扉のみを断熱性の高いものに交換する方法がおすすめです。

既存の窓の内側に断熱性の高い内窓を設置すれば、サッシを交換するよりも費用を安く抑えられます。

断熱性に優れた玄関扉に交換するのもひとつの方法です。ただし、マンションの場合は規定によって玄関扉を替えられないことが多いので、注意が必要です。

築年数が比較的浅く、床や壁の断熱がしっかりしているマンションであれば、窓や玄関扉を交換するだけでもある程度の断熱性の向上が期待できます。

部分的に断熱リフォームを行う

日々の生活で多く利用するリビングや1階のみ断熱材リフォームを行うという選択肢もあります。

部分的に断熱リフォームを行う場合は、家のどのスペースを頻繁に利用しているかを把握することが重要です。

リフォーム後に後悔をしないために、長く安心して暮らすことを視野に入れつつ、どの部屋を断熱リフォームすべきか判断すると良いでしょう。

部分的に断熱を施すことでコストは抑えられますが、家全体の断熱性能は不十分になります。

後から他の部分もリフォームしたくなることも考慮し、慎重に検討しましょう。

家全体の断熱リフォームを行う

優れた断熱性を求める場合は、家全体を断熱するのが最も効果的です。

追加工事をする必要もなく、一度で充実したリフォームを行えます。床や天井、壁など家全体を断熱材で覆うことにより、季節に関係なく室内を快適な温度に保つことが可能です。

家の中の温度差が生じにくくなることで、健康面にも配慮した快適な空間が実現できます。予算に余裕があるのであれば、家全体の断熱を検討してみると良いでしょう。

マンションの断熱リフォームをする際の注意点

マンションに断熱リフォームを施す場合、以下の3つの点に注意する必要があります。

その理由について順番に解説していきます。

マンションの規定に従う必要がある

マンションのような集合住宅は、たとえ専用部分であっても、自由にリフォームができるわけではありません。

断熱リフォームをしたい場合は、規約や法律に基づいて行うことが必要となります。

窓や玄関扉はマンションの共用部ですので、自由に交換できないケースが多々あります。マンションの規定をきちんと確認したうえで、断熱リフォームを行いましょう。

家全体を行うと相応のコストがかかる

マンションの部屋全体に断熱施工をする場合には、それなりの費用が必要となります。中古マンションの場合であれば築年数や劣化具合によって、想定していた以上の費用が発生する場合もあるでしょう。

予算の都合で全断熱が難しい場合は、床や窓のみなど部分的なリフォームを検討する必要があります。

ただし、優れた断熱性を求めるのであれば、部分的なリフォームでは十分な効果を得られない可能性があります。居住環境の快適性を確実に向上したいのであれば、家全体を断熱するリフォームが最も効果的でしょう。

工事中は別の住まいを用意する必要がある

リフォームをしている間は別の住まいを用意する必要があり、引っ越し費用や仮住まい費用が発生します。

窓や玄関扉だけなど、小規模なリフォームであれば在宅のままでも工事が可能な場合もありますが、大規模なリフォームでは工事期間が数ヶ月に及ぶこともあります。

リフォームの規模によっては別の住まいを用意する必要があり、引っ越し費用や仮住まい費用が発生します。その場合、引っ越し準備や手続きなどの作業が発生することも覚えておきましょう。

省エネリノベーションマンション「エコキューブ」がおすすめな理由

インテリックスの「エコキューブ」は、断熱リフォームが施された省エネリノベーションマンションです。

物件を探す際、エリアや物件価格に加えて「機能性」の観点でも魅力的な物件を取り揃えております。入居後すぐに快適な暮らしを始めることができることも魅力の一つです。

そのほか、エコキューブには以下のようなメリットがあります。  

物件ごとに温熱計算を実施

快適な住まいを作るために必要な工事は、築年数や構造、立地など、住まいによってさまざまです。

エコキューブでは、省エネ住宅設計支援ツール(主に【建もの燃費ナビ®】などの温熱計算ソフト)に、物件の立地や構造などの条件をあわせた独自基準を用いてリノベーション前後の住宅エネルギー消費量や冷暖房費(冷房負荷26度、暖房負荷22度。エアコンのみで算出)のシミュレーションを行います。

このシミュレーションを基に、物件ごとに適切な断熱計画を策定します。

このため、エコキューブなら、本来必要な工事を減らしてしまうことも、必要十分以上の工事をすることもなくそれぞれの物件に適したリノベーションによって住宅性能を向上させることが可能です。

樹脂製サッシの内窓を設置

窓は、家の中で最も熱が逃げやすい場所です。エコキューブには、高い断熱性を持つ内窓(樹脂製サッシ)が設置されています。

既存の窓と内窓の間に空気層が生まれることで、さらに外気温の影響を受けにくくなり、室内を快適な温度に保つことが可能です。結露やカビの発生も抑制され、遮音にも効果的です。

熱交換式換気システムでいつでも快適

エコキューブ最大の特徴は室内の空気の質を向上させることです。

高機能熱交換式換気システムにより、換気能力が高いことはもちろん、屋外の空気を室温に近づけた状態で取り入れることができるため、窓を開けなくても24時間365日、新鮮かつ快適な空気の中で生活することができます。

また、高性能フィルターが花粉や粉じんなどの侵入を防止する、花粉症やアレルギーを持つ方には嬉しい機能を備えています。

断熱リフォームで住まいをもっと快適に

断熱リフォームを施すことで、夏は涼しく冬は暖かい、快適な暮らしが手に入ります。

家の中の温度差を少なくすることで体への負担が軽減されるのも良い点です。さらに、冷暖房費の節約、カビの抑制など、断熱リフォームには多くのメリットがあります。

断熱リフォーム済みの省エネリノベーションマンション「エコキューブ」は、入居してすぐに快適な暮らしをスタートできます。内覧可能な物件を多数用意していますので、ぜひお気軽にインテリックスまでお問い合わせください。

参考文献

※ 環境省 『省エネ住宅を学ぼう』